永住ビザの身元保証人とは?責任の範囲やなれる条件について解説!
外国人の方が日本に滞在し続けるためには、ビザ(在留資格)の取得が必要です。
中でも、在留期限や活動が無制限になる永住ビザは「永住権」とも呼ばれ、取得することで多くのメリットがあります。
しかし、永住ビザを取得するには身元保証人が必須です。
今回は、ビザにおける身元保証人とはどのようなものか、保証人の補償範囲や保証人になる条件、提出書類などについて解説していきます。
目次
ビザの身元保証人とは?補償範囲や責任はどこまで負う?
永久ビザや配偶者ビザを申請する際には、身元保証人を付ける必要があります。
「身元保証人」と聞くと、どうしても借金の保証人のようなイメージが強く、引き受けるのに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際は連帯保証人などとは意味合いが違います。
ビザの保証人に法的な義務はない
外国人の在留資格に関する入管法においての身元保証人は、法的な義務が課せられたものではありません。
日本に在留する外国人の経済的保証や法令の遵守などの指導を行うことを法務大臣に約束する人のことをいいます。あくまでも道義的な責任が課せられるのみです。
手続きの際に提出する「身元保証書」には、滞在費・帰国旅費・法令の遵守に関する記載があるのみで、罰則や損害賠償についての項目はありません。
身元保証人をお願いする・された場合は?
ビザの身元保証人をお願いするときは、「法的な義務が課せられることはない」と伝えることで引き受けてもらいやすくなるでしょう。
反対に、外国人の方から保証人をお願いされた方は、「金銭の支払い義務を負うことはない」ことを理解してください。
相手が信用できる人であるなら、保証人になることを検討しましょう。
ビザの身元保証人になれる条件や提出書類について
ビザの身元保証人になるには「日本人もしくは永住者」という最低限の条件があります。
ビザを取得する外国人の方が日本人と結婚しているのであれば、日本人の配偶者が身元保証人になるのが一般的です。
そうではない場合、友人や会社の上司、同僚などにお願いするケースが多いです。
ただし、日本人や永住者であれば誰でもビザの身元保証人になれるというわけではありません。
ビザの保証人には、以下の2つの条件が求められます。
安定した収入がある
ビザの保証人には定職かつ安定した収入があることが条件とされます。
年収300万円以上をひとつの目安にしてください。
納税義務を果たしている
税金の滞納や未納がある場合は、保証人にはなれません。
保証人になる条件を満たしているかを証明するために、永住ビザの申請時には「身元保証人に関する書類」として以下を提出する必要があります。
・職業を証明する資料(会社員の場合は在籍証明書、個人事業主や会社経営者の場合は登記事項証明書および確定申告書のコピー)
・所得を証明する資料(過去1年分の源泉徴収票)
・税金納付に関する資料(過去1年分の住民税課税証明書および納税証明書)
・住民票
ビザの身元保証人での問題事例
ビザの身元保証人において、よくある問題事例をご紹介します。
身元保証人を引き受けた外国人が罪を犯した
先述の通り、万が一身元保証人を引き受けた外国人が何らかの問題を起こした、あるいは犯罪を行ったとしても、保証人に罰則が適用されることはありません。
滞在費や帰国旅費の支払いを命じられることもありません。
しかしながら、「法令遵守をさせられなかった」ということで、身元保証人としての適格性を欠くと判断されます。
そのため、入国・在留資格のビザ申請において、別の外国人の身元保証人になれない可能性があります。
身元保証人を辞めたい
身元保証人を引き受けたときは親しい間柄であっても、転職や退職などの理由で双方の関係性に変化が起きることもあるでしょう。
「身元保証人を辞めたい」と思ったときに、すぐに辞められるのか心配される方もいます。
結論を申し上げますと、入国管理局に辞任届を提出することで身元保証人を下りることが可能です。
すでに該当の外国人が在留資格を得ていたとしても、新たに保証人を立てる必要はありません。
身元保証人になってくれる人が見つからない
ビザの取得の際、身元保証人になってくれる人が見つからないというケースもあります。
その場合、入国管理局に「身元保証人不在理由書」を提出することになります。
しかしながら、許可されるケースは少ないため、親族や勤務先の方などに身元保証人になってくれる人を探すのが望ましいです。
まとめ
今回は、ビザにおける身元保証人とはどのようなものか、保証人の補償範囲や保証人になる条件、提出書類などについて解説しました。
ビザの身元保証人は借金の連帯保証人とは違い、法的な義務が課せられたり支払い義務が生じたりすることはありません。
しかしながら、なれる条件や提出書類などの制限が多く、身元保証人の確保が難しい方もいるでしょう。
ビザの申請でお困りの場合は、行政書士こせきみえこ事務所へご相談ください。