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2021.12.24

風営法とはどんな法律?風営法違反と罰則について徹底解説!

飲食店を開業するにはいろいろな準備が必要となり、保健所から「食品営業許可」を取得しなくてはいけません。
日中に営業して夜になると閉店する一般的な食堂などは関係ありませんが、夜遅くにお酒を提供する居酒屋や料亭やバーや、お客さんにお酒や遊びを提供するスポーツバーなどは、風営法に規定される届出が必要になる事もあります。
このコラムでは、風営法とは何かを説明した上で、風営法違反をした場合の罰則について詳しく解説します。
風営法に違反すると、刑事罰に問われたり営業を継続できなくなったりしてしまう場合もあるため、開業前にこのコラムをじっくり読んで参考にしてください。

風営法とはどんな法律?風営法違反と罰則について徹底解説!

風営法とは

風営法の正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」です。
つまり、風営法とは風俗営業を行うお店に対して一定の規制を設け、業務を適正に行わせるためのルールを定めている法律の事です。

また、この法律では風俗営業店の周辺環境や子供の健全な育成に悪影響を及ぼさない事も目的としています。
風俗営業等には、深夜帯にお酒を提供するお店や、お客さんに遊びを提供するダーツバーなども含まれています。

風俗営業等は、内容によっていくつかに分類されていますが、以下に、風営法に規定される代表的な物を紹介します。

1号営業

1号営業とは、お客様の接待をして飲食をさせるお店のことで、代表的なのもキャバクラやホストクラブですが、料理店や料亭なども含まれます。
営業時間は原則深夜0時までと定められています。

2号営業

2号営業とは、喫茶店やバーなどで飲食をさせるお店ですが、客席の明るさが10ルクス以下の低照度飲食店が該当します。
営業時間は1号営業と同様に、原則深夜0時までとなっています。

特定遊興飲食店営業

2016年の風営法改正で設けられたのが「特定遊興飲食店営業」です。
「深夜に営業すること(午前0時から午前6時の間)」「お客様に遊興をさせること」「お客様に酒類を提供すること」の3つの条件を満たす、スポーツバーやダーツバーなどが該当します。

風営法違反の2つの罰則

風営法により定められたルールを破ると風営法違反となり、違反の内容によって「刑事処分」または「行政処分」を受ける事になります。
以下に、2種類の罰則についての詳しい内容を記載します。

刑事処分の罰則について

風営法に違反して刑事処分に問われる事になれば、違反の内容によって懲役、禁固、罰金が科せられます。
さらに、後で説明する行政処分を、刑事処分とは別に受ける事になる場合もあります。

刑事処分で最も多いのは罰金ですが、罰金と懲役の両方が科される事もあり、これを「併科」と呼びます。
以下に、風俗法違反の詳しい内容を、罰則の重さが大きい順に紹介します。

2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金またはこれの併科

刑事処分の中で最も重い罰則で、以下のケースが処罰の対象となります。

・無許可で営業した
・名義貸し
・不正な手段で許可を取得した
・禁止されている場所での営業
・営業停止の命令に違反した営業 など

1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金またはこれの併科

以下のケースが処罰の対象になります。

・不正な手段で特例風俗営業者の認定を受けた
・不正な手段で構造または設備変更の承認を受けた
・18歳未満の者を客として立ち入らせた
・18歳未満の者に客の接待をさせた
・20歳未満の者に酒類、たばこを提供した など

6か月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金またはこれの併科

以下のケースが処罰の対象になります。

・客引き行為をした
・客引きのために立ちふさがった、つきまとう行為をした
・店舗型・無店舗型などの性風俗特殊営業を無届で営んだ
・マージャンやゲームセンターなどで現金を賞品として提供した
・性風俗特殊営業において虚偽記載のある書類を提出した など

100万円以下の罰金

以下のケースが処罰の対象になります。

・従業者名簿を備え付けない、必要な記載をしない、虚偽の記載をした
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で違反する広告宣伝をした
・警察職員の立入りを拒んだ
・警察の立ち入りの際に必要な報告や資料の提出に応じなかった、虚偽の報告をした
・接客従業者等の生年月日や国籍などの確認、記録、保存をしなかった など

50万円以下の罰金

以下のケースが処罰の対象になります。

・特例風俗営業者が必要な届出をしなかった
・許可申請書や添付書類に虚偽の記載があった
・管理者を選任していなかった
・パチンコやゲームセンターなどで玉やメダルなどを営業所外に持ち出させた
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で虚偽の届出をした
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で変更が生じたのに届出をしなかった
・深夜における酒類提供飲食店を無届で営業した、虚偽の届出をした など

30万円以下の罰金

以下のケースが処罰の対象になります。

・変更事項に関する届出をしなかった
・許可証を営業所内の見やすい場所に掲示していなかった
・相続、法人の合併・分割承継を受けたが、許可証の書換えをしていなかった
・営業の停止標章を破壊したり汚損したりした
・営業していない状況なのに風俗営業などの許可証や認定証を返納しなかった など

行政処分の罰則について

風営法に違反して行政処分に問われる事になれば、違反の内容によって許可の取消し、営業停止、指示処分が科せられます。
以下に、それぞれの内容について紹介します。

許可の取り消し

以下のような事をした場合は、許可の取り消しの対象となります。
また、他の法令や条例に違反した場合も、許可取り消しの重い処分が下される場合もあります。

・名義貸し
・18歳未満の者に客の接待をさせた
・構造または設備の承認を受けずに変更した
・不正な手段で構造または設備変更の承認を受けた
・営業停止の命令に違反し営業した
・午後10時から午前6時までの間に18歳未満の者を客に接する業務をさせた
・禁止されている場所での営業 など

営業停止

以下のような事をした場合は、営業停止の対象となります。
営業停止なるケースで多いのは客引きで、営業停止期間が長くなるため、くれぐれも違反しないようにしてください。

・客引き行為をした
・客引きのために立ちふさがったり、つきまとったりする行為をした
・不正な手段で許可を取得した
・18歳未満の者を客として立ち入らせた
・20歳未満の者に酒類、たばこを提供した
・マージャンやゲームセンターなどで現金を賞品として提供した
・店舗型・無店舗型など性風俗特殊営業で違反する広告宣伝をした など

指示処分

以下のような事をした場合は、指示処分の対象となります。
指示処分では、改善をするように注意されるだけですが、改善しないで放置しておくと、営業停止処分が下される事もあるので、しっかり改善してください。

・変更事項に関する届出をしなかった
・許可証を営業所内の見やすい場所に掲示していなかった
・相続、法人の合併・分割承継を受けたが、許可証の書換えをしていなかった
・料金表などを壁やドアなど見やすい場所に掲示していなかった
・営業していない状況なのに風俗営業などの許可証や認定証を返納しなかった
・18歳未満の者を客として立ち入る事を禁止した表示をしていなかった
・従業者名簿を備え付けない、必要な記載をしない、虚偽の記載をした など

まとめ

夜遅くにお酒を提供したり、お客さんに遊びを提供したりする風俗店を開業する場合は、風営法に規定される届出が必要となり、風営法をしっかり遵守して営業を続けなくてはいけません。
風営法に違反すると、刑事処分や行政処分を受ける事になり、警察に逮捕され営業ができなくなってしまう事もあります。

しかし、中には「これくらいは大丈夫だろう」「周りも平気で違反しているから問題ないだろう」と安易に考えて、処分を受けてしまう場合も少なくありません。
日頃からしっかり風営法を守って健全な営業を続けてください。

当事務所では、これから風俗営業を始める方のさまざまなサポートを行っています。
風俗営業許可申請は、ぜひ当事務所にご相談ください。

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