風俗営業にはどんな種類がある?風営法の許可が必要な条件は?
商売を始めるとき、法律上の許可をもらわなければならないというケースは少なくありません。
たとえば、飲食店を始めるときは食品衛生法にもとづく許可を得る必要があります。
そして、それは風俗営業においても同じことが言えます。
今回は、風俗営業においてどんな法律上の許可が必要かについて詳しく見ていきましょう。
目次
風営法とは何か
風営法とは「風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律」が正式名称で、その名とおり、風俗営業にまつわるルールを定めた法律です。
この法律のもと、風俗店の営業時間や営業可能区域などが定められています。
また、青少年育成という観点から規制が設けられているのも、この法律の特徴です。
ちなみに、もともとの法律は1940年代に定められた風俗営業取締法でしたが、1980年代に改正し上記名称に改められました。
風俗営業には2種類ある
風俗営業には、許可制のものと届出制の2種類があります。
2種類のうち届出制の業種は、関係各所に営業を届け出るだけで手続きが済みます。
一方、許可制のものは、業種ごとに許可を得る手続きが必要です。
この手続きでは、風俗営業許可申請書や営業所の平面図、身分証明書などを役所に提出します。
風俗にちなんだ審査はとりわけ厳しく行われますので、行政書士などの専門家を頼るのも一つの手段です。
各種手続きのもと「風俗営業をするに足る基準を満たしている」と判断されれば、晴れて営業の許可が下ります。
許可が必要な風俗営業の業態
風俗営業には許可制と届出制の2種類があることは、先ほどお伝えしたとおりです。
では、どんな種類の業種が風俗営業許可を取得する必要があるのでしょうか。
ここでは、風俗営業許可が必要な業種をピックアップして解説していきます。
風俗営業1号営業:接待飲食等営業
接待飲食等営業とは、客に接待行為をともないつつ飲食物を提供する種類の営業形態です。
代表的なものでは、キャバクラやクラブ、ホストクラブが挙げられます。
ここで言う接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と、法律に明記されていますが、客へのお酌、手を握る、ダンスなどの行為を指します。
また、設備面の基準が細かく定められているというのも特徴的です。
たとえば、客室の床面積や防音設備の設置などの基準が定められています。
風俗営業2号営業:低照度飲食店
低照度飲食店とは、客席の照度を10ルクス以下として定めている飲食店と指します。
喫茶店やバーなどが代表的な業態です。
当然のことながら、従業員による接待行為はすべて禁止です。
また、基本的には午前0時までの営業時間となります。
風俗営業3号営業:区画席飲食店
区画席飲食店とは、周囲から見通すことが困難で、かつ広さ5㎡以内の客席を持つ飲食店のことです。
カップル喫茶や個室居酒屋など、性質上客席を狭くする必要のある種類のものがこの営業形態に該当します。
建物がダンス用の設備を有していると許可が下りませんので、注意しましょう。
風俗営業4号営業:マージャン店・パチンコ店
風俗営業の4号営業には、マージャン店やパチンコ店などといった射幸心をあおる遊技を提供する店が含まれます。
射幸心とは「思いがけない利益を得たい」と期待する心理のことです。
4号営業のうちパチンコ店には、店舗構造の基準以外にも下記要件が課せられます。
・当該営業の用に供する遊技機以外の種類の遊技設備を設けないこと
・営業所内の客の見やすい場所に商品を提供する設備を設けること
こちらの要件を踏まえていないとペナルティーの対象となりますので、しっかり押さえておいてください。
風俗営業5号営業:ゲームセンター
ゲームセンターも、届出制の風俗営業となります。
こちらの業態は、テレビゲーム機やスロットマシン、ダーツバーなどを設置している店舗が該当します。
客に景品を提供しているかどうかが、4号営業との大きな違いです。
営業時間は、基本的に午前10時~午前0時までとなっています。
なお、遊技料金として紙幣を挿入できる装置や、客に現金や有価証券などを提供するための装置を設置した場合は、摘発の対象となりますので注意してください。
特定遊興飲食店営業
特定遊興飲食店営業とは、午前0時~6時までの間、客にダンスなどの遊興をさせる営業形態を言います。
こちらの種類の業態には、ライブハウスやカラオケ、スポーツバーなどが該当します。
2016年に施行された、改正風俗営業取締法において定められました。
深夜から早朝にかけての営業となるため、風営法の順守はもちろん、地域住民からの理解を得る種類の努力も非常に大切です。
まとめ
風俗営業では、役所の許可が必要な種類のものがあるため注意が必要です。
そして、種類に応じて接待の有無や店内の明るさなどに関係するルールを順守しなければなりません。
手続きを面倒に感じ無許可で営業をする人もいますが、その場合、トラブルが起きても警察に頼れないという深刻なデメリットがあります。
もちろん、摘発の対象となることは言うまでもありません。
いずれにせよ、正規の手続きをきちんと踏み、胸を張って営業をする姿勢が必要です。
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